住民税は地方税の特性から、昔からの流れを引き継いで1年遅れの徴収を続けています。

住民税はなぜ1年遅れでくるのか

6月頃に住民税がやってくる

住民税は前年の年収によって毎年6月頃に住民税決定通知書が届きます。
プロスポーツ選手、一発屋芸人など、短期的に高所得を得た後に収入が少なくなると住民税の支払いで苦労する話をよく耳にしますね。

 

住民税は収入に応じた後払い徴収になり、1年遅れてくるルールです。
毎月の給料から天引きされる所得税と違い、なぜ住民税は1年遅れてくるのでしょうか?

 

 

遅れる原因は地方税の特性

住民税(市民税)は地方税になり、市町村の自治体が管理しています。
役所の人数が少ないことに加えて一昔前は電卓を叩くなど納税者に対して1人ずつ手動で税額を計算していました。
住民税を計算する手間の都合から、給与所得者の年末調整や自営業者の確定申告で前年の年収が確定してから数カ月遅れで徴収するルールになりました

 

現代においてはコンピューターが普及しているので、税率を即時計算することも理論上は可能です。
しかし、昔からの流れを引き継いで現在も1年遅れの徴収を続けています。

課税金額が下がると住民税も下がる?

 

 

住民税を即時徴収するための課題

確定申告のイメージ

市町村の役場で働く公務員のうち、住民税担当部署は、基本的に確定申告が行われる3月ころから住民税の計算を始めていきます。
コンピューターによる計算・管理が行われるようになったとはいえ、年末調整や確定申告で年収が確定してから住民税を1年分まとめて計算する方式は圧倒的に手間が少ないです。

 

自治体によっては財政難から人手不足に悩んでいるケースもあり、住民税を徴収する自治体から見れば即時徴収するメリットはありません

 

また、住民税は長年1年遅れのルールで定着しているため納税者からも「住民税も即時徴収してくれ」といった要望の声も少ないので現状維持を続けています。

 

引っ越しの問題がシンプルになる

住民税は毎年1月1日現在の住民票の住所を元に納付先の自治体が決定されます。
もし即時徴収するルールになると、引っ越しをした納税者の計算などが複雑になります。

 

仮に即時徴収するルールになった場合、年度の変わるタイミングに進学や就職などで転出者の多い地方が不利になります。
所得税が即時徴収できるのは、国税と地方税で振り分けているものの計算や徴収を国(国税局)が行っているので、地方自治体の負担がありません。
住民税が1年遅れてくる理由の一つは、転出者が多い地方を守る目的があります。

 

即時徴収するデメリット

住民税が1年遅れるキカッケは計算を行うシステム的な問題で、現在はコンピューターの普及で解消可能です。
しかし、今から住民税を即時徴収すると新社会人の1年目の手取りが減るなど、納税者にもデメリットが出てきます
仕事を始めて間もない時期は出費が多くなりやすいですし、住民税の後払いを知らずに浪費をする人もいます。

 

つまり、住民税を即時徴収すると新社会人から不満の声が出て、納税者の消費意欲減少によって税収が下がる懸念があります。
今後も住民税の徴収時期が変更される可能性は低いでしょう。